こんにちは、エンジニアのオオバです。
Unityでスマホゲーム開発を進めているとスマホ実機で確認したくなりますよね。
普段はUnityエディタで開発しますが、ユーザーが実際に手にとって体感するのはスマホ上です。つまりスマホで確認することは ゲーム体験を作り込む上で非常に重要 だということです。
またスマホ実機でしか起きない不具合も多数存在します。開発終盤までUnityエディタだけで確認していると、 ゲーム完成間近に大きな落とし穴にハマってしまうかも しれません。
スマホ実機での確認は日常的に行うことが アプリを健全な状態に保つ秘訣 でもあります。
そこで本記事ではUnityエディタからAndroid端末にアプリを書き出す方法を解説していきます。 「Android実機でUnityを動かしたことがない」 という方でもわかるように分かりやすく解説しているのでぜひ最後まで読んでみてください。
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Anroid実機ビルド2つの方法
Android実機ビルドには大きく2つの方法があります。
- APKファイルを書き出してAndroid端末に「手動」でインストールする方法
- パソコンから直接APKをAndroid端末に「自動」でインストールする方法
2つの違いは書き出したAPKを自動でインストールするのか、手動かの違いです。それぞれ用途が違うためどちらのやり方も知っておくほうが良いでしょう。今回は2種類の方法をそれぞれ紹介していきます。それぞれ途中まで手順は共通です。
2種類のAndroidビルド方法の共通設定
2種類のビルドそれぞれに次の3つの共通設定があります。
- アプリ名の設定
- パッケージ名の設定
- IL2CPP、ARM64の設定
メニューEdit -> Ptoject Settings
から Project Settings を開きます。
Project Settingsの ①Player から ②Product Name を設定します。ここに設定した文字列がインストール後のアプリアイコン下の名前になります。 ③Default Icon は実機上で表示されるアイコン画像です。未設定の場合はUnityアイコンが表示されます。
アプリ名を決めたら ④Other Settings をクリックして 「Identification」 の項目を設定します。
①Override Default Package Name にチェックを入れて、「Package Name」にアプリの識別子となるパッケージ名を入力します。 ②Scripting Backend を「IL2CPP」へ。 ③ARM64 にチェックを入れます。
以上で共通設定は完了です。
ここからは2つのビルド方法をそれぞれ解説していきます。
その1.UnityエディタからAPKを書き出し手動でAndroidに転送する方法
1つ目のビルド方法はUnityエディタからAPKを書き出して手動でAndroidに転送する方法です。
①APKファイルの書き出し
②APKファイルをAndroid実機に転送
③APKファイルをAndroid端末にインストール
1.APKファイルの書き出し
メニューFile -> Build Profiles
からBuild Profilesウィンドウを開きます。
左のPlatformsリストから「Android」を選択して、右側の「Build」ボタンをクリックしましょう。するとAPKの保存場所を求められます。
オオバはビルドした成果物を1つのフォルダにまとめておきたいため「Build」という名のフォルダを選択することにしています(Buildフォルダが無い場合は新規作成します)。
しばらくするとビルドが終了し、Buildフォルダ内にAPKが作成されます。
2.APKファイルをAndroid実機に転送
APKをパソコンからAndroid端末に転送する際は無料のAndroid Transferを使います。
Android Transferを持っていない方は↓こちらからインストールできるのでどうぞ。

USBケーブルでパソコンとAndroidを接続します。
パソコンに接続したAndroid端末の画面上部から下方向にフリックするとメニューが表示されます。その中の「このデバイスをUSBで充電中」をタップしましょう。
「充電のみ」から 「ファイル転送」 に変更してみてください。
するとAndroid Transferに接続されます。APKファイルを「Download」フォルダにドラッグアンドドロップしましょう。
以上でAPKのファイル転送は完了です。
3.APKファイルをAndroid端末にインストール
転送したAPKをAndroidアプリとしてインストールします。今回はGoogle公式のFilesというソフトを使ってAndroid端末ストレージ内のファイルを操作します。
Filesが無い方はこちらからインストール可能です。
Filesを開いたら「ダウンロード」をクリックして先ほどAPKを転送した先の「Download」フォルダを開きます。
Downloadフォルダ内の「Android.apk」をタップしましょう。
確認ダイアログが開くので「インストール」をクリックするとインストールが始まります。
インストールが完了したら画面下部に表示される「開く」ボタンをクリックしてみてください。
するとアプリが起動します。
Android Transferは不安定
使っているとわかるのですがAndroid Transferはとても不安定です。Android端末を認識しないことがよくあります。
オオバが最近使っているAPK転送アプリはMacDroidです。有料アプリですが安定してそうです。ご参考にどうぞ。

その2.UnityエディタからAndroid端末に直接アプリを書き出す方法
次はUnityエディタからAndroid端末に直接APKを書き出してインストールする方法です。
1.Android端末とパソコンをUSBケーブルで接続
最初にパソコンとAndroid端末をUSBケーブルで接続します。今回は手元のPixel7ProXLとMacBookProを使用しました。
ちなみに値段の安いUSBケーブルだとAndroid端末がパソコンに認識されないトラブルが発生するので注意してください。特に100円均一で売っているケーブルはよくトラブルが起きます。
オオバは端末を購入したときに付属しているケーブルか1000円以上のケーブルを使用することにしています。
2.Android端末の開発者向けオプションの有効化
次にAndroid端末の「開発者向けオプション」を有効化します。Unityから直接Androidにインストールするためには開発者向けオプションが必要です。
Android画面上部から下にフリックして、設定ボタンをクリックします。
デバイス情報を選択してください。
ビルド番号を何度かタップしてください。するとパスワードを求められるので、パスワードを入力しましょう。
「システム」をタップ。
すると「開発者向けオプション」が表示されるようになります。
3.USBデバッグをON
開発者向けプションで設定することは2つです。
「USBデバッグ」 をONにします。
するとAndroid端末側で「USBデバッグを許可しますか?」とデバッグ許可を求められるので「OK」
をクリックしましょう。
以上で準備は完了です。
4.Build And Run
再びUnityに戻ります。
メニューFile -> Build Profiles
からBuild Profilesウィンドウを開きましょう。
「Refresh」ボタンクリックして実行デバイスを検出します。
プルダウンから実行デバイスを選択して「Build And Run」をクリックします。
するとビルドされたAPKがAndroid端末に自動でインストールされ起動します。
Android実機ビルド2つの方法まとめ
Android実機ビルドの2つの方法を紹介してきました。
1つはAPKををUnityエディタから書き出して、手動でAndroid端末にインストールする方法。2つ目はUnityエディタからAPKを書き出して自動でAndroid端末にインストールする方法でした。
開発中は2つ目の自動インストールの方がオススメです。開発者オプションをONにする必要はありますが開発効率は高くなります。
FirebaseやDeployGateなどのアプリ配信サービスを利用する際は前者のAPK書き出しを使用し、その後アップロードします。
用途がそれぞれ違うため、それぞれ知っておいて損はないため覚えておきましょう。
ゲームの実機確認は製品クオリティを上げるために必須です。本記事を参考に安定的に実機ビルドできる環境を構築してみてください。
この記事があなたのゲーム開発に役立ったら嬉しいです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました!
すばらしいAndroidライフをお過ごしください。
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