こんにちは、Unityエンジニアのオオバです。
「Unityって何?」 という人向けにわかりやすく Unityの始め方 を解説します。 結論Unityを使うと個人でゲームを世の中にリリースすることが可能です。
しかも、ゲーム開発自体はパソコンさえあれば無料で始めることが可能です。実に良い時代になりました。
しかし、ゲーム開発の道が簡単なはずはなく、気をつけるポイント はいくつもあります。
本記事ではUnity歴11年の現役エンジニアが 初心者向けにUnityの始め方を徹底的に入門編として解説 します。初心者のみなさんが変な遠回りをしないために、 最短でUnity開発を始められる ようにわかりやすい言葉でまとめました。ぜひ最後まで読んでみてください。
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Unity(ユニティ)とは?
Unity(ユニティ)とは、ユニティ・テクノロジーズ社が提供するゲーム開発ツールです。このゲーム開発ツールは 「ゲームエンジン」 と呼ばれます。
なぜ、こんなにもゲーム開発にUnityが使われているのでしょうか。その昔 ゲーム開発とはゲーム会社のもの でした。ゲーム開発のノウハウはゲーム会社の外に出て来なかったのです。つまり一般人がゲームを作るのは困難。ゲーム開発のノウハウそのものがそのゲーム会社の価値だった とも言えます。
しかし、近年無料で手に入る ゲームエンジン の登場で状況は大きく変化します。多くのゲーム会社がこれらのゲームエンジンを採用するようになりました。そして、 個人でも無料でゲームを作れるようになった のです。
時代の変化とともにゲームエンジンは進化。プログラミングスキルがそこまで習熟していなくてもゲームエンジンがサポートしてくれます。つまり、今は 誰でも簡単にゲームを作れるようになった 時代。そのゲームエンジンの中でも有名なのが Unity です。
Unityはこんなことができる
Unityは2D、3Dゲーム、ジャンルを問わずさまざまなゲームを開発できます。すでにリリースされている有名なUnity製ゲームを紹介します。
例えばヘブンバーンズレッドやダイの大冒険、原神といった華やかな3Dゲームです。
3Dゴリゴリで見た目的にも華やかなゲームもUnityを使えば可能です。
「Alto’s Adventure」という、とてもきれいな雪の中を疾走する2DスノボーアクションゲームもUnity製です。
Unityは2Dゲームもサポートされています。
Unity初心者にとっては「Unityを使うからこのジャンルのゲームは作れない」ということは基本無いです。 どんなゲームでもUnityで作れるのです。
Unityもノーコードツールを提供
最近は プログラミングをせずともプログラミングできます。 いわゆる「ノーコード」と呼ばれているツールです。UnityもVisual Scriptingと呼ばれるノーコードツールを提供しています。
↓こちらの記事でUnityが公式に提供するノーコードツール 「Visual Scripting」の始め方と基礎を徹底解説 していますので、ぜひ読んでみてください。
Unityの特徴3選
ゲーム開発の敷居を下げたUnityの特徴を3つ紹介します。
①無料でゲーム開発を始められる
②マルチプラットフォームに対応している
③ゲーム素材(アセットストア)が充実している
特徴①Unityは無料で始められる
個人開発の場合、Unityは 完全無料 で始められます。具体的な始め方は後述しますが、手持ちのパソコンに Unityエディタ をインストールするだけ。
「Unityエディタ」とはゲーム開発に使用するメインのソフト です。開発者はUnityエディタを通してゲームを作ります。Unityエディタは公式サイトから無料でダウンロード可能。ライセンスはパーソナル版、プロ版と用意されています。以前はパーソナル版、プロ版で使用できる機能に大きく差がありましたが撤廃されました。
今ではパーソナル版(無料)でも十分にハイクオリティなゲームを作れます。
特徴②マルチプラットフォーム対応している
Unity最大の特徴は 「マルチプラットフォーム対応」 です。具体的には、Unity1つでiOS、Android、PC、Switch、PS4といった 複数のプラットフォームにゲームをリリースできる ことです。
昔は、それぞれのプラットフォームごとにプログラミングしていました。非常に大変な作業です。しかし、 Unityは1つのプログラミング(ソースコード)で複数のプラットフォームに対応できる ため、非常に効率よくゲームが作れます。
スマホ開発ならAppStore、GooglePlayどちらにもリリースしたい ですよね。Unityを使えば簡単に実現できるということです。
特徴③ゲーム素材(アセットストア)が充実している
個人でゲームを作るときに困るのがゲーム素材です。
- キャラクターデザイン
- 背景イラスト
- ゲームエフェクト
- 3Dモデル
- 各種サウンド
その他さまざまな素材がゲーム開発には必要になります。安心してください。Unityには Unityアセットストア と呼ばれるゲーム素材を購入できるサービスがあるのです。
有料、無料とわずさまざまなゲーム素材が販売されています。もちろん あなた自身が素材を作って販売することも可能です 。
中にはゲームまるごとをサンプルとして販売もされています。 「作りたいゲームがあるけど作り方がわからない」 そんなときにはおすすめです。中身を読んで作り方を学ぶこともできます。
また、Unityアセットストアは頻繁にセールが開催されています。ほしかったアセットが半額で販売されているときもあるのです。だからほぼ毎日通っています。 Unityアセットストアを眺めるだけで楽しい ですし、ゲーム作りのインスピレーションを高めてくれるため Unityアセットストアはいろんな意味でおすすめです。
アセットを使ってみたいけど、最初はどうやって手に入れるのかわからないですよね。そんなアセットストアで購入してみたい方は、次の記事を参考にしてみてください。Unityアセットストアで 有料無料問わず アセットを購入する方法を分かりやすく紹介しています。
Unityの始め方(ダウンロード方法)〜環境を整える3つのステップ〜
ではUnityを始めるための開発環境を整えていきます。
ステップ① Unity IDの作成
ステップ② Unity Hubのインストールとセットアップ
ステップ③ Unityエディタのインストール
ステップ① Unity IDの作成
Unityを始めるためには、 Unity ID が必要です。Unity IDとは、あなた自身のUnityアカウント。メールアドレス1つで作成可能 です。
Unity IDを取得することで以下のことができます。
- Unityでのゲーム開発
- Unityアセットストアでの購入
- Unityの各種サービスの利用
Unity IDは必ず必要になるため、最初に手に入れておくことをおすすめします。
次の記事でUnity IDの作り方をわかりやすく解説しています。まだUnity ID未取得の方はぜひ参考にしてみてください。
【2024年版】Unity ID(アカウント)の作り方から使い方のまとめ
Unity IDはUnityを始める上で必須です。全画面図解付きでわかりやすくUnity IDの作り方を解説します。
ステップ② Unity Hubのインストール
初心者におすすめしたいUnityの始め方は 「Unity Hub」 を使う方法です。前述の通りUnityでゲーム開発するときに Unityエディタ を使います。「Unity Hub」とは Unityエディタのバージョン管理ツール です。
「初心者の自分にバージョンって関係ある?」 と思った方もいらっしゃるでしょう。 Unityはバージョンが重要 なのです。
Unityエディタで作業するファイル全体を Unityプロジェクト と呼びます。Unityプロジェクトは 指定のUnityバージョンで開く必要がある のです。バージョンを間違うと 最悪ファイルが壊れます。 そんな事故が起きないためにもUnity Hubを使うのです。
- 適切なUnityバージョンの利用
- 複数バージョンのUnityエディタの共存
- 初心者に優しいUI
Unity Hubは Unity歴11年のオオバも毎日使うくらい便利なツール。プロ・アマ問わずおすすめできるツールです。
Unityのバージョンはいつか上げる必要がある
「自分は永遠にUnityバージョンを固定して開発する!」
と思っている方には 悲報 です。 Unityのバージョンはいつかは上げる必要があります。
Unityのバージョンは安定版がリリースされて 2年でサポートが切れる からです。サポートが切れた後は、古いバージョンに 致命的な不具合が起きたとしても修正されない ということです。 開発者は皆Unityのバージョンを意識しないといけません。 そこで「Unity Hub」の登場です。Unity HubはUnityのバージョン管理を超絶簡単にするツールなのです。
つまり、 Unity Hubを最初にインストールすることはUnityを始める最善手 と言えるわけです。Unityを始めるときには必ずUnity Hubをインストールしましょう。
Unity Hubのインストール、初期のセットアップについてはこちらの記事で徹底的に解説していますので、ぜひ読んでみてください。
ステップ③ Unityエディタのインストール
Unityでゲーム開発するために最も重要なのは Unityエディタ です。さきほどインストールしたUnity Hubを使ってインストールします。
Unityエディタのインストールで重要なのはUnityエディタの バージョン です。個人開発とチーム開発で選択するバージョンは変わってきます。
具体的なUnityエディタのインストール方法や注意点はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
公式サンプルを使ってUnityエディタの使い方を学ぶ
Unity初心者にとってはUnityエディタがどんなものかわかりませんよね。手っ取り早く理解するために、Unity社が公式に 無償で提供しているサンプル を動かしてみましょう。
いくつか提供されているサンプルの中からFPSゲームのサンプルを試してみます。FPSとは自分視点のゲームです。銃撃戦のゲームでよく使われるスタイルです。
手順はとても簡単です。
※【注意】FPSサンプルはUnity2019〜2021までしか対応していません。Unity2022以降はサポートされていないので注意してください。
テンプレートを選んでUnityプロジェクトを作成する
サンプルを動かすために Unityプロジェクト を作ります。Unityプロジェクトとはゲーム開発するファイルがすべて格納されたものです。今回動かすFPSゲームの全データをダウンロードして使います。Unityプロジェクトは ゲームごとに作成 するイメージです。
Unityプロジェクトを作るためにUnity Hubを起動します。
- ① プロジェクトを選択
- ② 新しいプロジェクトをクリック
- ① 使い方を学ぶ を選択
- ② FPS Microgame を選択
- ③ テンプレートをダウンロード をクリック
- ① プロジェクト名を入力※今回は「my-fps」としました
- ② プロジェクトを作成 ボタンをクリック
以上でUnityプロジェクトの作成は完了です。
サンプルではなく、あなたのオリジナルゲームを作るためのUnityプロジェクトを作る方法はこちらの記事を参考にしてみてください。
本格的なFPSゲームを動かしながらUnityを学べる
実際に動かしてみると、このような本格的なFPSゲームがUnityエディタ上で動きます。
楽しみながらUnityの基本操作を学ぶ事ができるためおすすめです。次の記事で詳しく解説していますので、気になる方は読んでみてください。
また、 Unityを始める上で重要なのはUnityエディタの操作方法 です。しかしUnityエディタには数多くの機能が備わっていて 初心者はどこから手をつけてよいかわかりづらい です。
そこで、次の記事では 初心者が覚えておくべきエディタを厳選して解説しました。 ぶっちゃけ普段のゲーム開発で使うUnityエディタ操作は限られています。最初に覚えておくべきUnity操作をまとめていますので、ぜひ読んでみてください。
アセットストアを使ってゲーム素材をゲットする
Unityに「Unityアセットストア」と呼ばれる ゲーム素材の販売サービス を提供しています。ちなみにUnityではあらゆる素材(画像・3Dモデル・音声・ソースコードなど)を 「アセット」 と呼ぶので覚えておきましょう。
Unityアセットストアの特徴は 無料アセット も多く販売されていることです。アセットを購入するメリットはたくさんあります。
- ゲームプログラミングに集中したいから画像を購入
- 音を自分で作るのは大変なので時短のために購入
- ゲームの作り方がわからないからサンプルプロジェクトを購入して中身を確認
- 演出を盛りたいからゲームエフェクトを購入して組み込む
などなど。使い方はさまざま。
1つのゲームを作るためにはさまざまなアセットが必要です。全部を1人で作り上げるには膨大な時間がかかりますし、ゴールが見えなくて挫折にも繋がります。ぜひ自分の都合の良い形でアセットストアを活用してみると良いでしょう。
こちらはTunnel FX 2というアセットを試したオオバのポストです。
ワープのような表現を 秒 で作ることができます。このような表現を 最初から作り上げるのは大変 ですよね。 「時短したいな」 というときにUnityアセットストアを活躍します。ぜひ参考にしてみてください。
初めてアセットを購入するのは勇気がいりますよね。やはり全体的に 有料アセットの方がクオリティは高い です。手を出せる価格帯で、試しに購入してみると世界が広がります。次の記事ではアセットストアでの購入方法をわかりやすく解説しています。買い方がわからない方は参考にしてみてください。
そして、Unityアセットストアはときどきセールをしていますので、定期的にチェックしておきましょう。 通常有料アセットが無料になっていることもよくあります。 気になっているアセットをお得に購入できるかもしれません。
ゲーム開発をするならUnityちゃんの素材もダウンロードしておこう!
Unityの公式サンプル、アセットストアのほかにUnity公式が提供する「Unityちゃん」は外せません。
Unityちゃんとは Unity公式キャラクター です。繰り返しになりますが、ゲーム開発にはさまざまなアセットが必要になります。そして技術検証するためにもアセットが必要です。Unityちゃんを使うことでゲーム開発を効率的に進めることができます。
↑のようなハイクオリティなUnityちゃんの3Dモデル、アニメーション、ボイスなどが無料で提供されています。
8等身Unityちゃんの他、3等身のSD Unityちゃんも提供されています。全部無料なのでぜひゲーム開発に使ってみましょう。ゲーム素材はいくらあっても困ることはありません。
ちなみに、Unityちゃんのプロジェクトが古いままで、 ひと手間加えないと動きません 。次の記事でUnityちゃんの使い方をエラーのとり方含めて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
【入門】失敗しないUnityの始め方、インストール方法まとめ
初心者向けにUnityの始め方、インストール方法について解説してきました。記事の内容を簡単にまとめます。
①Unityを始めるときにかかる費用は無料
②Unity IDが必要
③Unity Hubを使う
④Unityエディタはバージョンに気をつける
⑤無料のアセットを活用してゲーム開発に生かす
こんな感じです。
ゲーム開発の敷居はここ数年で一気に下がりました。Unityによってゲーム開発が簡単になり、プログラミングの知識がそこまでなくてもゲームを作ることが可能になったのです。
つまり、 あなた自身もやろうと思えばゲームが作れるということ。 まずは、この記事のとおりにパソコンにUnityエディタをインストールしてサンプルを動かしてみてください。
正直サンプルも難しいプログラミングではありません。すこし勉強すれば分かる範囲です。Unityを通してあなたのゲームを 全世界にリリース してみませんか。ダウンロードされれば収益化もできますし、それが仕事になることもあります。
また、趣味としてのゲーム開発もいいですよね。今までプレイしてきたゲームを自分で作ってみるというのも面白いです。
本ブログでは Unity初心者に向けたゲーム開発情報を提供 しています。
初心者のあなたが次に学ぶべきはUnityの基礎です。具体的には「Unityエディタの操作方法」や「簡単なUnityプログラミング」です。おすすめなのは次の2記事。初心者向けに分かりやすくUnityエディタ、Unityプログラミングを解説しました。
また、Unityには 「GameObject(ゲームオブジェクト)とコンポーネント」 という重要な概念 が存在します。この概念の理解は自分でゲームを作っていく上で避けては通れません。
そこで次の2つの記事で かなり詳しく 、そして 分かりやすく 解説しています。本記事とあわせて読んでみてください。おそらく、一度読んだだけでは理解できないかもしれません。ブックマークして何度も読み返しすことをおすすめ します。
Unity初心者を何名も見てきましたが、やはり 初心者がつまづくポイントは同じ です。 自分が初心者だったころも同様にハマっていたのを覚えています。このブログはUnity初心者がゲーム開発をできるようになるためのサポートをしています。ぜひ今後もチェックしてみてください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました!
すばらしいUnityライフをお過ごしください。
- Unity2022.3.18f1